アッグの全高

漫画「プラモ狂四郎」の第6話ガンダム対アッグ(ボンボン1982年7月号掲載)に登場したアッグは連載時は1/144だったがコミックス(2巻、82年10月発売)で1/100に変更されていました。(↓画像参照)

変更の理由は実際の1/144アッグ(82年9月発売)と比較して作画が大きすぎたからと思われますが
実際には(1.44倍の)1/100では大きさが足らず、(2倍の)1/72としないと漫画のようなサイズ比にはなりません。

…というのが狂四郎の件においての結論ですが他にも発見がありました。

【現在の設定=全高15.6m】

これを参考に考えると旧キットの縮尺はおかしく、
1/144キットは全高79㎜、つまり本当は1/197スケール、
1/100キットは全高108㎜、つまり本当は1/144スケールとなる。

この【現在の設定】通りに1/100アッグを作るとジムとのサイズ比が丁度漫画に描かれた通り、つまりコミックスの1/100というのが正しい事なっています。
※「1/100アッグを1.44倍」か「1/144アッグを2倍(2.07倍)」すると丁度良い。ついでに言うとシーン再現(比率を合わせる)だけなら1/144アッグとガンプラコレクション(1/288)ジムをジムキャノンに改造した方が楽にできます。

【当時の設定=全高なし?】

では当時のプラモのサイズが適当だったのかというと調べて見ると実はそうではありまあせんでした。
「模型情報・別冊・MSバリエーション・ハンドブック2(1983)」や
機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション(2) ジオン軍MS・MA編(1984)」といった当時の主要な書籍には機体解説はあるものの全高や重量といったデータはそもそも載っていませんでした。
※アニメに登場したMSに関しては一応「講談社ポケット百科15 ロボット大全集1 機動戦士ガンダム(1981)」に高さ重さが載っています。
掲載情報を辿っていくと少なくとも「機動戦士ガンダム 新MS大全集 Ver.3.0 改訂増補最新版(1992)」まではどのMSVのMSも全高の記載は無く、
高さ重さが載ったのはガンダム20周年時に出た「機動戦士ガンダム MS大全集98(1998)」が初めてとなっていました。
機動戦士ガンダムMS大全集 - ガンダムWiki

【当時の設定=旧キットの縮尺が正しい?】

本来はスケールモデルとして発売したものがある以上、こうでなくてはいけないのですが…。
1/144アッグは全高79㎜、つまり本当は11.4m、
1/100アッグは全高108㎜、つまり本当は10.8m、なので設定は約11mが適切だったと言えます。
※ちなみに1/144アッグガイも全高108㎜で逆算すると15.5mになりますが設定は19.0mと違います。
なんでこんな乖離した設定になってしまったのかは謎です。