「液晶が割れたようになるビネガーシンドロームからの修復」と「水晶発振子の交換でどこまで倍速化できるか」を調べました。
重度のビネガーシンドロームになった液晶の修復
前にネットで見かけるビネガーシンドロームの修理法通りに挑戦したのですが、黒ずみが完全には取れず…。
でもよく考えたら「ガラスが黒ずむわけがないのでは?」と再挑戦しました。
結果は「ビネガーシンドロームが液晶の表面(おもて面)だけではなく裏面でも起きていた」からでした。なので裏面も交換して修理完了。
裏面のビネガーシンドロームの進行度が普通に引っ張って剥がせる程度だったので出来ましたが、表面のようなガチガチになっていたらかなり大変だと思いました。
ここまで酷いビネガーシンドロームになったのは、夏場40度になる部屋に段ボールに入れて保管していたのが原因ではないかと思います。
作業内容をまとめ
・ビネガーシンドローム(糊の劣化)でガチガチになって表面のフィルムを剥す。
・新しい偏光板(表面)をゲームの電源を入れた状態で良く見える角度で貼る。(購入状態で角度は出ているので縦か横を調べる程度。糊無しなら限界サイズの52mm*57mmでカットする)
※前回はここで諦めた。
・裏面のシート(液晶の背景にあたる所)を剥す。【ケーブルを痛めないように注意!】
・新しい偏光板(裏面)をゲームの電源を入れた状態で良く見える角度で貼る。(上の90°回転)
・52mm*57mmの白いシート(今回はプラバン)を背面にセット
・さらに固定用に同サイズの緩衝材(2mm以下のスポンジや発泡スチロールなど)をセットして基盤で押さえて完了。
仕上がりがゲームボーイのような黄緑の液晶になってしまうのが難点。同等の裏面シートが売ってればいいのですが見つけられず…。
ポケットの液晶で近づけられないかと裏面のシートが使えないか試したのですが肝心のメタリックの層が化学反応で黒ずんでいてダメでした。といかその層も糊を取る為のアルコールの影響を受けてボロボロになってしまいました…。
偏光板は教材用の偏光板(糊無し)でも一応出来ますが接触ムラが起きやすいのでオススメしません(今回は試しで裏面に教材用を使っています。なお、カラー以降の機種には使えません)。ゲームボーイ/ポケット向けの糊付きの製品でも
AliExpressの方が商品が多いです。使ったのは「偏光フィルム(色: For GB GBP)」。
ゲームボーイライトみたいにできる製品もあります。今より見やすそうなので今度試したいです。
倍速化について
これだけだとゲームボーイカラーで十分なのでリアルドードリオGB(ポケモンスタジアムの3~4倍速プレイモードの事)にすべく倍速の限界を調べて改造を加えました。
水晶発振子を交換して調査した結果
4.194MHz(オリジナル)
8.0MHz=1分が約32秒=約1.9倍速
10.0MHz=1分が約25.5秒=約2.35倍速
12.0MHz=1分が約21.3秒=約2.82倍速
14.318MHz=1分が17.8秒=約3.37倍速
16.0MHz=1分が15.8秒=約3.80倍速
18.0MHz=1分が14.0秒=約4.29倍速
20.0MHz=× ※Nintendoロゴで切れる。
というわけで「16.018.0MHz」が限界でした。今回入手できませんでしたが18.0MHzも存在するようなので試したい所…。
仕様ですが倍速にすると画面が薄くなり、荒れたり、音にノイズが入ります。画面の薄さは濃度調整で対処可能です。
ポケモンをプレイする上での問題は確認した限り「ピカチュウ版の相棒ピカチュウの大谷ボイスが消える」だけでした。
水晶発振子の取り外し
並列だとプレイ中の速度切り替えが出来ないので(出来てもフリーズのリスクはあるのですが)元々付いている水晶は外します。
ポケットとカラーの水晶発振子はセラミック外装なので上層部分をペンチでもぎ取るが楽なのですが、勿体ないので頑張って外します。
一応、同等品が売ってるのでそれ使うと楽です。クリスタル(水晶発振子) 4.194304MHz(秋月電子通商で購入可)
都合の良い事にパーツの裏に穴が開いているので、板に0.5㎜の真鍮線を立てて下から押しながら、半田ごてで加熱して外しました。
コツは水晶が横になるようにして、奥側は吸い取り線ではんだを減らし、手前側にはんだを少し盛って交互に加熱する事です。
回路とスイッチ
スイッチで切り替えられるようにします。スイッチは外観に影響の少ない裏面に配置しました。
0.8㎜のビニール銅線を使っていますがもっと細いポリウレタン銅線の方が良いです。(写真の水晶のソケットはきついので止めました)
クリスタル(水晶発振子) 16MHz(秋月電子通商で購入)
スライドスイッチ 小 (3P)(千石電商で購入)
完成!